プランダラ 19巻感想

【あらすじ】

 ついに姿を現した、廃棄戦争から始まったあらゆる禍根を生み出した相手であるフィレンダ少尉。
 リヒトーは彼女に本意を問いかけて、フィレンダも答える。
「いままで奪ってきた自分から、心を奪ったシュメルマン。だが彼は奪えない。ならば貶めてやる」
 そのためにフィレンダはシュメルマンの愛する息子であるリヒトーを苦しめてきた。
 話は終わり再び始まるフィレンダの猛攻。危地に追いやられる全員だが、リヒトーは立ち上がり、園原は彼の怒りを告げる。
「穏やかに、安らかに、速やかに」

(72話 穏やかに、安らかに、速やかに)

 フィレンダの攻撃をリヒトーは閃劇によって容易にしのいでいく。
 自分の攻撃が通じないことに激高するフィレンダだったが、どうしてリヒトーは閃撃を使いこなせるかに思い至る。
 リヒトーは閃撃を扱えるほど異常な動体視力をあらかじめ持っていた。
 また園原は語る。リヒトーは「殺したくない」「傷つけたくない」と願い、どの敵が相手であっても攻撃を躊躇ってきた。しかしフィレンダはそのリヒトーから「ためらい」を奪った。
 怒り、フィレンダを追い詰めるリヒトー。
 だが、陽菜がアインスによって殺されかけることにより、攻撃の手が止まる。

(73話 ためらい)

 新型の撃墜王たちに強化の薬が投与され、事態は悪化していく。その間もフィレンダのリヒトーの能力のコピーは進んでいく。
 時風はアインスを止めようとするができない。代わりに止めたのはツヴァイだった。自分たちを殺し、幸せを願うその姿にはかつての友である玄治たちが重なる。
 判断を迫られる中、フィレンダのコピーが終わってしまう。三度、始まるフィレンダの攻撃。だがフィレンダはリヒトーに自分の境遇を打ち明けて、交渉を持ちかけた。それをリヒトーは否定し、殺し合いが再開される。
 命の選択をしようとする時風、それをさせたくないために陽菜は必死に考える。
 そして取りだしたのは新型撃墜王の薬だった。

(74話 玄治)

 陽菜は撃墜王になることを決意するが時風は否定する。そして、いままで伝えられなかった愛を語った。
 それでも陽菜は叫ぶ。「誰かを犠牲にして生きるなんてイヤだ」と叫ぶ。
 道安もジェイルもそれに同意し、時風を止めた。
 陽菜は母である月菜との会話を思い出していき、ある一手を考えつく。ナナに過去を送るように頼み、ジェイル、道安、園原に背を押されて陽菜は過去へ行く。
 三十秒後に戻ってきた陽菜だが現状は変わらない。フィレンダの一撃で全滅直前を迎える
 だが、彼女らがやってきた。

(75話 あきらめない、あきらめたくない)

【感想】
 十八巻に続いて、十九巻の感想を書けることになによりほっとしています。

 今回のメインはフィレンダ少尉でしたね。諸悪の根源となり「奪う」という最悪の力を持った敵。彼女との戦闘で十九巻の全てが語られました。
 それなのに合間合間にリヒトーの強さの秘密であったり、時風と新型撃墜王たちの心の交わり、そして時風と陽菜がようやくわかり合えた瞬間など涙が流れる展開が折り重ねられていきました。
 そして、次巻予告にもありますがついに、彼や彼女らが帰ってくる―――!? など。
 どこまでプランダラのキャラクターは増えていくのでしょう。
 そしてシュメルマンは敵となって終わるのか、またリヒトーたちと手を取り合えるのか。いろいろと考えるところもありますが、今回はフィレンダ少尉に焦点を当てたいと思います。そして最後にときめいたところを書きたいと思います。

 フィレンダ少尉は七十四話でリヒトーを求めましたが、それは陽菜ちゃんに対する憎悪もあったのかしらと思いました。フィレンダ少尉がリヒトーの母親と何かしらあったフラグの台詞もありましたが、今回読んでいて、フィレンダ少尉と陽菜ちゃんは正反対の立ち位置だと感じました。
 フィレンダ少尉は奪うもの。陽菜ちゃんは得るもの。
 フィレンダ少尉は奪われたもの。陽菜ちゃんは与えるもの。
 フィレンダ少尉はリヒトーに手を取られなかったもの。陽菜ちゃんはリヒトーに手をとられたもの。
 結局、プランダラの物語の一つとして、この二人の対比も伏線だったのかといまの段階では考えます。

 そのフィレンダ少尉ですが、正直に言うとこのベタな悪役路線に入って一気に好きになりました。好きというよりかは理解できる。心地良い。周囲にいて欲しくは無いけれど、眺めているだけならいいなあという気持ちになります。それは適度にいま痛めつけられているというのもあるのでしょうが。
 フィレンダ少尉のしてきたことは多くの人にとって許されないことでありますが、全てが大団円を迎えたときに彼女はどうなるのでしょう。命は奪われず、ただ裁かれるだけだとしても、償えるのか。彼女に償いの意思は生まれるのか。そうでないのなら、命を奪われてしまうことのほうが遙かに優しく思えます。
 そう、フィレンダ少尉はまぎれもなく悪なのですよ。だからといって、悪を倒して終わるほどもう時代は甘くない。それにフィレンダ少尉も奪わなくてはならない境遇から発生した。同情の余地はあるのです。そして、その同情の余地がある場合にやり直せる機会が生まれて欲しいと私は願います。周囲が与えるのでは無い。フィレンダ少尉が、何かをつかんで欲しい。もしくは盛大に散ってもらいたいです。

 これから、プランダラがどういった物語を進んでいくのかは未だ不明です。おそらくフィレンダ少尉との戦闘が終わり、シュメルマン先生と決着をつけて大体の伏線を回収して完結になるのかという予測は立てています。
 その中盤でリヒトーを幸せにすると決めた陽菜ちゃんですが、物語が終わりを迎えた時に、フィレンダ少尉は対比としてやはり不幸なまま終わるのか。そこが気になりますね。

【ときめき】
 時風さんと月菜さんの一コマが私にとって最大のご褒美でした。ありがとうございます。
 カップリング敵にはリヒトー×陽菜と、時風×月菜推しなのでこの二組が幸せになる今後がすごく読みたいです。三頁でもいいから……!
 あとは、時風さんと陽菜ちゃんがようやく和解できたところ。良かった。親子に戻れて、本当に良かった。
 あとはリィンちゃんを最後まで抱きしめて守ろうとするペレという何気ないシーンにも愛情が感じられて良かったです。

 ここまで長くなりましたが、次で二十巻! これからも追いかけていきたいです。

感想
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